2014年11月7日金曜日

蜩ノ記

久し振りにどうしても見たい映画がありました。

葉室麟原作の「蜩ノ記」。


日本人の礼節の美しさ。

静かな日本の景色と武士の潔さ。

武家社会は不条理な世界です。

主人公戸田秋谷(役所広司)は10年後の夏に切腹を命ぜられ、切腹の時までに藩史編纂を終えなければなりません。

切腹までに3年とせまり、藩から監視役として送り込まれたのが壇野正三郎(岡田准一)。

庄三郎がしだいに秋谷(しゅんこく)の気高い生き方に心酔し、秋谷の家族とも心を通わせていきます。

いよいよ切腹の日となり、死に装束は妻が泣きながら夜中に縫ったもの。

去っていく秋谷の背中から、仕事を終え死に向かう淡々とした気持がにじみ出ています。

監督は黒澤監督の愛弟子、小泉監督。

出演者の所作の美しさが目に残ります。

川端康成がノーベル賞を受賞したときの「美しい日本の私」という講演のタイトルをを思い出ししました。