2009年8月31日月曜日

厳しさと優しさ


先日、税理士のM子さんが、自分を育ててくれたおばあさんの話をしてくれました。



明治の女であるおばあさんのことを、M子さんは「私の導師」と呼んでいます。



このおばあさんについて、ちょっと物語風にご紹介します。


M子さんは事情があって6歳のときにお母さんと離れて、おばあさんと二人で暮らすことになりました。生活は楽ではありませんでした。そして、おばあさんはとても厳しい人でした。


M子さんが、ふくれっつらをしておばあさんに言いつけられた用事をしていると、「おまえには言いつけられたことをふくれっつらをしてやるか、ニコニコしてやるか二つに一つしかないんだよ。どちらが自分のためになるかよく考えてごらん。」


「人間は幸せになるように生まれてきているんだよ。幸せに生きるためにはまず自分で自分の面倒を見られなければならない。だから、勉強しなさい。勉強をして力をつけなさい。力がある人間は世間様が決してほっておかない」と何度も言われたそうです。



M子さんは、おばあさんにずっと反抗し続けていましたが、16歳のときに、おばあさんはいったい何をしている人なんだろう、と考えたそうです。



そのときに、おばあさんが自分の人生をかけてM子さんを育ててくれていることに気付きました。それ以来、厳しいおばあさんの言葉が、砂が水を吸うように心に浸みていったそうです。



「小さな幸せを見つけなさい」と繰り返し言っていたおばあさんは、M子さんの人生の導師の役割を果たし、M子さんに介護されて93歳で亡くなりました。




人を育てるということは、育てられる者も育てる者も真剣勝負だ、ということを再度確認する話でした。

2009年8月28日金曜日

エンプティネス

先日(財)テクニカルコミュニケーター協会のTCシンポジウム2009に参加してきました。


このシンポジウムで興味をひかれたのは、武蔵野美術大学教授、グラフィックデザイナーの原研哉氏の基調講演でした。タイトルは「エンプティネス」です。


「エンプティネス」という言葉を聞いたことがありますか?


別の言葉で表現すると、「空間、間、無、空白」というような意味になりますが、一言では表せないため、カタカナを使っているのでしょう。


講演の主旨は、日本のデザインにはシンプルなだけではなく、日本人が共有し理解できるエンプティネス(それぞれの人のどんな思いも受け止める間や空間)があり、これが日本文化の大きな底力となっている、というものでした。





どんな思いも受け止めるエンプティネスの代表は、屋代(社)です。





ただし、「エンプティネス」は日本の文化だけのものではありません。





日本人が好きな朝鮮の李朝の器にも「エンプティネス」の概念があるような気がします。






原氏がグーグルで「エンプティネス」について講演をした際に、グーグルの人も理解したそうです。なんとなくわかる気がしませんか。



抽象的概念の説明なのでむづかしいのですが、日本古来の文化の根底に、どのような思いも受け入れる「エンプティネス」があるということを、もっと日本人が考えて、大切にできたら世の中が少しやさしくなるかもしれません。


2009年8月14日金曜日

筑波12時間耐久自転車レース

先週末、夜10時から翌朝10まで、筑波サーキットで12時間耐久自転車レースが行われ、KIの自転車部が参加しました。




参加したのは、男性3人、女性1人、マネージャ1人の男女混合チームでした。


昨年はレース後に温泉付き野外バーベキュー場でバーベキューをしたのですが、今年はレースに専念するため試合後のイベントはなし、という気合の入ったものでした。




KI自転車部のエースが、前回は食事やテントの準備のため寝る時間がなく体調をくずしましたが、今年は準備を必要最小限にして、写真のとおり元気でアンカーを務めたのは心強い限りです。






ところが、自転車部部長が走行中にぎっくり腰になり、私が朝8時頃応援に駆けつけたときには、チームには熱気というよりは静寂さが漂っていました。






この写真のテントの中で部長が痛みと戦っていたのです!







負傷者は出ましたが、昨年同様、一番感激したのはレースが終わった瞬間で、部長も含め誰も落後せずに皆が寝ている夜中にひたすら自転車で走っていた部員の達成感を思うと、私もひっそりと感動していました。



一晩中起きてタイムをつけたり、自転車を運んだりしていたマネージャさん、苦労さま!働き者ですね。


成績は昨年よりも悪かったのですが、「人生には上手くいかない日もあります」という自転車部部長の言葉で、今年も過酷なレースが終わりました。

2009年8月4日火曜日

朝礼

毎日、朝礼で1~2分の話をするようになってから、もうだいぶたちます。


KIではフレックスタイム制を導入しているので、9時の朝礼には社員全員出社しているわけではありません。


朝早く一人で仕事をしていると、驚くほど効率が上がるので、社員にも人間の自然な姿である朝型になって欲しいのですが、自分の若かったときのことを考えるとあまり言えませんよね。。。


朝礼での話は年間200回くらいになりますか、テーマも何もなく、その朝思いついたことや、考えていることを少しずつ話していきます。


天職について話をしたことがあります。


「なぜ働くのか」ということについて書いてある本を3冊紹介したこともあり、社員が、会社の私の本棚に置いてある本を借りに来たときは、ちょっとうれしかったですね。

SAPのPartner of the Yearを受賞したという知らせが届いた日の朝礼では、大きなスクリーンにドイツから送られてきた表彰式の画像を映して、皆の努力に感謝しました。


社員の結婚式に出たときの話、旅行に行ったときの話、勉強会の話、何でも心に残ることをちょっとだけ話しているのですが、朝礼で話をするようになってから物の見方が少し丁寧になったようです。


8月から週に一回、シニアマネージャが話し手に加わりました。


会社の空気というものはとても大切です。朝礼での話の積み重ねは、会社の文化に影響を与えるはずです。