2009年8月28日金曜日

エンプティネス

先日(財)テクニカルコミュニケーター協会のTCシンポジウム2009に参加してきました。


このシンポジウムで興味をひかれたのは、武蔵野美術大学教授、グラフィックデザイナーの原研哉氏の基調講演でした。タイトルは「エンプティネス」です。


「エンプティネス」という言葉を聞いたことがありますか?


別の言葉で表現すると、「空間、間、無、空白」というような意味になりますが、一言では表せないため、カタカナを使っているのでしょう。


講演の主旨は、日本のデザインにはシンプルなだけではなく、日本人が共有し理解できるエンプティネス(それぞれの人のどんな思いも受け止める間や空間)があり、これが日本文化の大きな底力となっている、というものでした。





どんな思いも受け止めるエンプティネスの代表は、屋代(社)です。





ただし、「エンプティネス」は日本の文化だけのものではありません。





日本人が好きな朝鮮の李朝の器にも「エンプティネス」の概念があるような気がします。






原氏がグーグルで「エンプティネス」について講演をした際に、グーグルの人も理解したそうです。なんとなくわかる気がしませんか。



抽象的概念の説明なのでむづかしいのですが、日本古来の文化の根底に、どのような思いも受け入れる「エンプティネス」があるということを、もっと日本人が考えて、大切にできたら世の中が少しやさしくなるかもしれません。