昨年5月に発行されたISO17100の認証を取得しました。
これは翻訳に関するISOで、認証範囲が決まっています。
弊社の認証取得範囲は英日、日英で、
①金融・経済・法務、②医学・医療、③工学・科学技術の3分野です。
ISO17100は翻訳品質保証のISOではありません。
ただし、結果として品質向上にはつながります。
ISOではまず翻訳プロセスが規定されています。
そして、各プロセスに関わるPM、翻訳者、チェッカーの資格と力量も同様です。
翻訳者の資格は、翻訳学部の卒業(日本には翻訳学部のある大学はほとんどない)、大学卒業後2年間フルタイムでの実務経験、それ以外の人は5年間の実務経験、のいずれかの資格が必要です。
翻訳者の力量については、トライアル結果の記録が必要です。
チェッカー(バイリンガル)とPMについても、資格と力量が要求されます。
このISO取得で一番苦労したのは翻訳者の資格と力量を示すエビデンス集めです。
弊社では過去仕事をお願いした方の中で、5年以上の翻訳実績があり、その方の翻訳量に基づき、ISOに準拠するかどうかを判断しました。
今後、新しく契約する翻訳者には、規格通りの書類を提出していただくことになります。
このISO取得に意味があるのは、社員自身にとっても会社にとっても翻訳工程の管理方法が明確になり、定期監査でこれが確実に実施されるという点です。
もちろん、ビジネス上のメリットもあります。
現場にとっては、やるべきことが増えるのは嬉しいことではありません。
何でもそうですが、なぜISO17100を取得し、準拠しなければならないのかの基本を理解し、納得してもらうことが肝要です。
これさえできれば、後は改善で業務効率をあげていくことができます。
今後は、1年に1度の情報セキュリティISOと翻訳ISOのサーベイランスに向け年間アクションプランを確実に実施していかなければなりません。