2016年4月15日金曜日

内館牧子『終わった人』

定年小説といわれるものは数多く出版されていますが、私も何冊か読みました。






中でも、『終わった人』に考えさせられることが多かったので紹介します。

主人公は、定年後趣味に生きられずにまだ仕事のしたい高学歴の63歳の男性。

定年後のサラリーマンは、それなりに自分の生活を淡々と受け入れている人と、抵抗しているように見える人がいます。








この本では、「まだ成仏していない」という表現が使われていて、「会社人生に思い残すことはない」という感覚を持てない人のことです。

そして、ソフトランディングできない人。

主人公は成仏せず、ソフトランディグできずに小さな会社の社長を引き受け、会社を倒産させ、多額の借金を背負って「終わった人」に逆戻り。

最後は自分を建て直しに故郷に帰ります。

一般的に60代はじめで定年になり、やりきった感を持てる人がどれくらいいるでしょうか。

平均寿命が延びて、余生が長すぎるのでしょう。

「思い出と戦っても勝てない」という言葉は納得です。