2008年10月31日金曜日

言葉の影響

現在ニュース翻訳の翻訳者募集をしている。これだけ株が下がり、円高になって世の中騒然としているからであろうか、応募者が非常に多い。


その応募者の一人のプロフィール欄に、びっくりする言葉を見つけた。


ある女性の「真面目だけがとりえの老婆です(56歳)」という自己紹介の言葉である。私より年下なのに老婆なんて。。。。


人には自分で変えられないことがある。変えられないものに年齢がある。学歴もなかなか変えられない。


ところが、このどちらも生き方次第で乗り越えることができる。


大学に行くことができずに中学や高校卒で社会に出て、その後日々の努力によって知識と教養をつけ、立派な社会人として尊敬されている人を何人も知っている。この人達の強さは並ではないし、ネガティブな言葉を口にしない。


また年齢については、その影響は人によって大きな違がある。親しい女性社長で70歳になろうという人に「老婆」などという言葉を言ったとたんきょとんとされそうである。彼女の辞書には「老婆」という言葉はないだろう。



言葉は発した人によって、大きく意味が変る。この応募者はもしかしたらつらい病気をして、今を余生と思って自分を老婆だと言ったのかもしれないし、若い人に囲まれた生活をしていて自分の年齢を強く意識する環境にいるのかもしれない。


いずれにせよ、言葉はこわいものである。自分の口から出たネガティブな言葉で自分が負のスパイラルに入ることがある。いつも元気な言葉を口にして、自分自身を励ましていきたいものである。

2008年10月24日金曜日

翻訳祭

10月22日(水)に(社)日本翻訳連盟の翻訳祭が開催された。


(社)日本翻訳連盟の活動に参加していたのはもう十数年前になり、その後業界の集まりにはほとんど出席していなかった。業界の集まりから遠ざかった一番の理由は、ビジネス上の問題もあったが、それよりも自分の力不足で業界の発展に貢献しているとはどうしても思えなくなったためであった。


ところが今年、ある会で親しくしている翻訳会社の社長から、翻訳祭の実行委員長をやるので手伝って、と言われたのがきっかけで、久しぶりに業界団体でのお手伝いをした。


今回の翻訳祭で特に感じたことは関係者と参加者の熱気であった。翻訳業界に若者が増え、厳しい中にも翻訳に対する熱意を感じた。


情報量の飛躍的増加に伴って、翻訳量も飛躍的に増えている。コストの高い日本での翻訳を避けて、海外で日本語への翻訳を行い、大事なドキュメントのみ日本で翻訳するという流れができつつある。


また、Open-Source Softwareの出現と、技術の学習ができる機会の提供をし、そのかわりに無料で翻訳をするというコミュニティーの育成と支援の例についても話題に上った。これも大きな流れになりつつある。


こういう変化の激しい環境を乗り切るためには、平凡ではあるが、企業理念を基盤にQCD (Quality, Cost, Delivery)での優位性と、変化に対する迅速な対応力の必要性を強く感じた。業界団体主催の素晴らしいイベントの企画と実行の一部を担い、貴重な経験であった。

2008年10月14日火曜日

変った食べ物

世の中には、変った物を食べる人がいる。国が違えば食べ物が異なるのは理解できるが、身近な人が普段食べないものを食べた話は結構インパクトがある。



先日家族が友人達と九州郷土料理のお店に行って、ムツゴロウの生き作りを食べた話を聞いた。生き作りと聞いただけでワーッと思ったが、その後ちょっとしたいたずらをしたために起こったことを聞くと、ますます食欲を失う。



いたずらとは、仲間の一人が、お刺身を食べた後の骨だけとなったムツゴロウの頭をお箸でつっついた。骨だけのムツゴロウの頭がまだ生きていて少し口をあけたので、そこにお酒を流し入れた人がいたとのこと(どういう人だろう???)。そしたら、ムツゴロウの頭がものすごく怒って(?)、ガーッと口をあけたので大騒ぎになった、という恐るべき生命力のお話。





この話を聞いた後にはムツゴロウの生き作りを食べる気は起きないし、それでなくともいやだと思う人も多いだろう。変った食べ物を食べる人は、もしかしたら好奇心が旺盛なのかもしれない。





以前へびを食べに行こうと誘われたことがある。義理ある人から誘われて断れずに悩んだ。どうしても行きたくなくて、愛犬の具合が悪いので行けない、というへたな言い訳をして見抜かれ、それほどいやなら、とへびを食べなくてすんだ。





飢えてないときには、変なものを食べ物る、と笑っていられるが、本当に食料がなくなると私でもへびを食べるようになるのだろう。ムツゴロウは大歓迎かもしれない。

2008年10月10日金曜日

評価について

先日知人のコンサルタントの先生から稲盛和夫氏の『人を生かす』という本をいただいた。経営に関する問答集で、経営者の質問に対して稲盛氏が答えるという形式をとっている。


社内の新人事制度が運用されてからちょうど1年たつが、評価は永遠の課題である。


『人を生かす』という本の中にも「みんなが納得する評価法はあるか」という項目があるが、稲盛氏の答えは、「評価は本当に難しい。トップは心理学者にならなければならない。ルールだけに頼らず心血をそそいで社員を見よ」というもので、思いあたることがある。


KIでは、役割遂行評価という制度を採用している。ルール上は大きな点を得ることはなくとも、社員の優れた能力が発揮され、その結果会社に新たな可能性の道が開けた場合は、大きく評価したい。


全員が満足する評価方法はないと思うが、ちょっと油断をすると見逃してしまいそうなこともきっちりと見て、人を生かしていきたい。