(財)国土技術研究センター理事長、大石久和氏の「日本人の自然災害史観 日本人は必ず立ち上がる」という記事は、強く心に残りました。
雑誌『Will』の5月号に掲載されています。
この記事では、なぜ日本人が災害のときに泣き叫んだり、取り乱したりせずに立ち上がることができたのか、ということを日本の国土の置かれている状況から分析しています。
世界では現在まで30億人以上が紛争で死んでいるそうです。
紛争で死ぬと人間は当然恨みをもったり、敗因の分析をしたりし、これが闘う姿勢や論理的思考に結びつきます。
一方、日本は、紛争よりも天災(地震、台風、豪雨など)での死者が圧倒的に多い国です。
日本の国土面積は世界の地表面積の0.25%にすぎないのに、マグニチュード6以上の地震の20%が日本に集中しているとのこと。
天災で人が死んでも、恨む相手がいません。
そんな過酷な状況下で人間ができることは、「ただひたすらにその死を受け入れる」ことだけ。
これが、日本人特有のけなげで勤勉な気質を作ってきた、というのには納得できます。
この記事から、今回の震災でもきっと日本は復興できる、という勇気をもらいました。