私は、矢内原忠雄訳の『武士道』読もうとしては挫折を繰り返してきました。
矢内原訳は格調が高くいかにも武士道というイメージです。でも、読みにくい(私の場合)。
そこで、先日『武士道』の現代語訳を読んでみようと思いつきました。
倉田訳を入手しましたが、私にはあまりにも軽い訳で読んでいて腰がふわふわ。
当たり前です。
この本は中学・高校生向けにエッセンスをまとめたものだったのです。
そこで、奈良本訳。
これが私には一番ぴったりきました。
上記以外の人も訳していますが、読んでいないのでコメントできません。
以下に、矢内原、奈良本、倉田の順で『武士道』の第一章の冒頭の文を書いてみました。
・武士道(シヴァリー)はその表徴たる桜花と同じく、日本の土地に固有の花である。
・武士道は、日本の象徴である桜花にまさるとも劣らない、日本の土地に固有の華である。
・武士道は、桜の花に似ている。桜が日本という国の象徴であるように、武士道も日本の地に生えた日本特有の花である。
翻訳者は黒子であると言われていますが、とんでもない。
翻訳者によって別の本になってしまう例でした。