翻訳関連のISOが検討されていることを知っている方もいると思います。
このISOが施行されると、翻訳者の資格、翻訳に必要なプロセスが明確になります。
翻訳という分野には「素人とプロの境界がはきりしない」という妙な問題がありますが、これが一応解決されることになります。
なぜ翻訳という分野には「素人とプロの境界」が明確ではないのか?
この問いに答えるには、プロの翻訳者に必要とされる最低限の資質を考えてみましょう。
①ソース言語(元になる言語)を十分理解できる
②ターゲット言語(翻訳される言語)で達意の文章を書ける
③該当する分野の知識が十分にある
当たり前のことですが、①、②、③の各資格のある人はたくさんいます。
ところが、この三つの資格を適切に兼ね備えている人は案外少ないのです。
それなのに、この三つの資格が十分あると信じている人が多いのです。
ISO導入によって、①の資格は規定され、②も翻訳者は母国語に翻訳するということが規定され、翻訳プロセスも規定されるのである程度秩序が生まれます。
翻訳関連のISOが現場でどの程度導入されるかわかりませんが、私は歓迎すべき流れである思っています。