「愛を積む人」は日常誰にでも起こり得るストーリーの映画です。
ある年齢以上の人、私や貴方、にとっていつでも起こり得ることなのです。
妻を失くして生きる気力を失った夫が、妻が生前に残した手紙に救われ、周囲の人に助けられ自分を取り戻していく話です。
ある夫婦が東京で苦労をして、終いの住処として北海道美瑛に移住してきます。
この夫婦は、毎年結婚記念日に夫が妻に真珠を一粒贈るのが習慣となっています。
その時の経済状況よって、高価な真珠も、小さな真珠もありました。
その真珠とリボンを使って作ったネックレスが妻の一番大切なもの。
美瑛に移住し、妻は心臓の持病を隠し、家の回りに石堀を作ってくれるように夫に頼みます。
妻は、石堀の完成を待たずに死んでしまいます。
石堀の完成を妻は見ることはできませんでしたが、やがて次の世代にネックレスも石堀も引き継がれていきます。
この映画全体にただよう、人の運命の過酷さや、同時に人のやさしさを文章では伝えきれない気がします。
日本の映画もレベルが高く、佐藤浩市、柄本明など、味のある役者がそろっています。
最後に、夫婦の思い出の曲として流れるナット・キング・コールの「スマイル」にはしびれました。