今日の新聞にも「トヨタの営業利益7割減」と報じられているが、「100年に1度」と言われている米金融危機に端を発した世界的不況は、翻訳業界にも大きな影響を与えている。
この不況で一番大きな影響を受けているのは、ITや自動車関連の翻訳を専門にしている翻訳会社であろうか。 大きなプロジェクトが頓挫した話も聞いているし、翻訳の発注量が劇的に減った、と苦しい話を聞く機会が多い。
IT関連の翻訳が大きな位置を占めている弊社も第三クオータを乗り切るため、知恵を絞っているところである。 この危機を乗り越えるための妙薬などないが、日頃学んでいる先人の言葉に勇気付けられることが多い。
先日は「書経」の『一日二日に万機あり』という言葉を学んだ。この言葉を「1日とか2日という短い間にも変化する兆しは無数にある」と解釈し、日々油断を戒めると同時に、細かいことを見逃さないよう、また細かいことを大切にしたいものである。ついでに、万機があるのならと明るい気分にもなる。
米国も初の黒人大統領が選出され、100年に1度の金融危機が勃発し、後から振り返ると2008年は歴史的な転換の年となるかもしれない。考えようによっては、おもしろくも苦しい時代に身を置いていることになる。