2008年12月5日金曜日

随踵塾

月に一度「随踵塾ずいしょうじゅく)」というところで歴史書や戦国武将の残した名言について学んでいる。


この会の名前は、韓非子の「比肩随踵」という言葉から取ったもので、肩と肩が当たるほど、後から後から人が随いてくるという意味で、経営者に何より大切な人を魅きつける力を表している。


メンバーは20代から60代の経営者約30人。主催者が自分で作成した教材を読み、それに対して出席者全員が意見を求められる。この意見に対して、ときには厳しく、ときにはやさしくつっこみが入り、参加者の本音と主催者の考えさせられるコメントで約2時間半が終わる。


この会では、普段何を考えているかが問われるので、これが結構怖い。くだらないことしか言えない自分にがっかりすることもあるし、若いメンバーのとぼけたコメントを聞いて、大笑いすることもある。できる限り休まずに、もう丸3年かよっている。


毎回必ず心に残る言葉を教えてもらうが、今月は毛利の三本矢の一人小早川隆景が、ある時祐筆(代筆者)に指示した言葉、「急ぎの手紙である。ゆえにゆっくり書きなさい」が印象に残った。急ぎのことや大切なことほど手落ちがあってはならないので心を引き締めてゆっくり書けという意味で、なかなか言えない。


かなり前のことであるが、社員が大切な約束に遅れそうになっていたときに、「急ぎなさい」という言わずもがなの一言で、ただでさえあせっている社員をさらにあわてさせてしまった。


この言葉を聞いたときに、まずあの時の社員の顔が浮んだ。