2009年2月27日金曜日

死にかかわる仕事

「おくりびと」がアカデミー賞の外国語映画賞をとり、光岡自動車が「おくりぐるま」を発表し、「悼む人」が話題になり、ここのところ死が社会の表面に出てきています。



「おくりびと」は納棺師のことですし、「おくりぐるま」は霊柩車のことです。死がリアルになり過ぎないように言葉が選ばれています。誰でも死と向かい合うことは苦手ですね。


だからでしょうが、死にかかわる仕事をしている人たちに対して、社会はあまりあたたかくありません。父の死に際して、そういう人たちと接する機会がありました。


特に、お世話になった霊柩車の運転手さんと話す時間があり、どんな経緯でこの職業についたか話してくれました。



担当の運転手さんは、営業、観光バスの運転手、長距離トラックの運転手を経て霊柩車の運転手の職業を選んだそうです。この仕事を選んだときは家族に大分反対されて、説得をするのが大変だったようです。 ちょっと映画「おくりびと」の主人公みたいですね。



職業を選んだ理由は、得意な運転技術が生かせ、人(遺族)との会話があるからだそうです。遺族と話すのはつらい場合が多いと思うのですが、そこに自分の役割を見いだしたのでしょうか。そうだとしたら、運転手さんは幸せな人です。



長距離トラックの運転は孤独で、そのために前職をやめたやさしそうな運転手さんでした。この不況にきっと収入は悪くないと思うのですが、人手不足だそうです。


死と向かい合いたくないため、死にかかわる職業を差別の目で見ていた自分に気がつきました。