2010年10月8日金曜日
本1冊のリライトを終えて
酷暑の8月に始まった英日翻訳のリライトがつい先日終わりました。本の翻訳のリライトでした。
すぐれた翻訳者の翻訳でしたが、時間的な制約が厳しく、翻訳者は大変だったと思います。
本の内容は、グローバル企業の中国+インド戦略についてです。
私のところにリライトの仕事がまわってきたのは、内容がおもしろかったので原文を全部読んでいたからなのでしょう。
リライトした翻訳は、大学の先生の監修、大学と出版社での校閲を経て、11月には出版される予定です。
久しぶりに翻訳の現場の仕事をして、意義深い2ヶ月でしたが、ストレスもたくさん感じました。
プラス面は、日本語での言葉の組み合わせの厳密さ、そして翻訳の楽しさと大変さを再確認できたことです。
言葉の組み合わせに関しては、英語で許される言葉の組み合わせを辞書どおりの訳で日本語にすると、おかしな日本語になる、ということです。
たとえば、"pursue"という動詞は英語では"market"という名詞と一緒に使うことはできても、日本語になると「市場」と「追求する」という日本語は、ほとんどの場合ダイレクトには結びつかないということです。
”英文解釈”の影響からなかなか抜けきれません。
マイナス面は、自分の本来の仕事をするエネルギーがリライトに吸い取られてしまったことです。
急ぎの大事な仕事が山積みになり、ストレスがたまりました。
それでも、有意義な2ヶ月でしたが、また「やる?」って聞かれたら、「う~ん」と考えてしまいますね。
でも、選択の余地がなければ、またやります!
まだ、出版されて本の評判を聞くまでは安心できませんが、とりあえず一仕事終え、清々しい気持ちです。