幸田真音氏は米国銀行や証券会社での債権ディーラーを経て、作家に転身した人です。
今回『大暴落 ガラ』を読んでみて、この国の置かれている脆弱な状況を再認識しました。
外資系の金融機関に勤めていた女性が日本初の内閣総理大臣に就任したことから物語が始まります。
組閣直後、東京大洪水と国債大暴落が同時発生。
この2大ピンチにからむ登場人物もおもしろい。
結果的には犠牲者は出たが、総理は不眠不休でこの2大ピンチを切り抜けます。
最後に国会で内閣所信表明をするのですが、途中で野党のヤジ。
「責任逃れだ、女だからって許されるわけじゃないだろう」なんてヤジ、許せますか。
そこから、女性総理は野党に対して啖呵を切ります。
「洪水の間、あなたたちは雁首揃えて、いったいなにをやってたっていうの?」、なんて胸がすきますね。
それにしても、総理のスケジュールはむちゃくちゃで、働き方改革とは無縁です。
安倍首相もきついだろ―な、と思いました。